目次
比較概要
富士フイルム X-S20は、2023年6月29日に発売されたミラーレスデジタルカメラです。小型軽量ボディに、AIによる被写体検出AFや6.2K/30Pの動画撮影機能などを搭載しています。裏面照射型約2610万画素「X-Trans CMOS 4」センサーと高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を採用し、高画質撮影が可能です。5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正機能も備えています。
この記事では、富士フイルム X-S20を、同じような価格帯で人気のある機種と比較します。比較機種は、ソニー α6400とオリンパス OM-D E-M10 Mark IVです。これらの機種は、富士フイルム X-S20と同じくAPS-Cサイズのセンサーを搭載したミラーレスカメラで、価格.comでの最安値は約18万円前後です。
それでは、富士フイルム X-S20は、ソニー α6400とオリンパス OM-D E-M10 Mark IVに対してどのような特徴や優位性を持っているのでしょうか? 比較表と比較詳細で見ていきましょう。
比較表
機種名 | 富士フイルム X-S20 | ソニー α6400 | オリンパス OM-D E-M10 Mark IV |
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発売日 | 2023年6月29日 | 2019年2月22日 | 2020年9月25日 |
価格.com最安値(税込) | 約18万円(レンズキット) | 約10万円(ボディ) | 約8万円(ボディ) |
センサーサイズ | APS-C(23.5mm×15.6mm) | APS-C(23.5mm×15.6mm) | フォーサーズ(17.3mm×13mm) |
有効画素数 | 約2610万画素 | 約2420万画素 | 約2010万画素 |
画像処理エンジン | X-Processor 5 | BIONZ X | TruePic VIII |
機種名 | 富士フイルム X-S20 | ソニー α6400 | オリンパス OM-D E-M10 Mark IV |
連写速度 | 最高約30コマ/秒(電子シャッター) | 最高約11コマ/秒(機械シャッター) | 最高約15コマ/秒(電子シャッター) |
動画記録 | 4K/30p、フルHD/240p | 4K/30p、フルHD/120p | 4K/30p、フルHD/60p |
液晶モニター | 3.0型 約104万ドット チルト式タッチパネル | 3.0型 約92万ドット チルト式タッチパネル(下開き) | 3.0型 約104万ドット チルト式タッチパネル(下開き) |
電子ビューファインダー | 0.39型 約236万ドット 有機EL | 0.39型 約235万ドット 有機EL | 2.36型 約236万ドット 有機EL |
バッテリー持続枚数(CIPA規格) | 約325枚(液晶使用時) | 約360枚(液晶使用時) | 約360枚(液晶使用時) |
無線通信機能 | Wi-Fi、Bluetooth 4.2対応 | Wi-Fi、Bluetooth 4.1対応 | Wi-Fi、Bluetooth 4.2対応 |
比較詳細
今回は、富士フイルムの新しいミラーレスカメラ「X-S20」を、ソニーの「α6400」とオリンパスの「OM-D E-M10 Mark IV」と比較してみました。 これらのカメラは、すべてAPS-Cサイズのセンサーを搭載し、小型軽量ながら高画質な撮影ができるエントリーモデルとして人気があります。 では、それぞれのカメラにはどんな特徴や違いがあるのでしょうか?
まず、「X-S20」は、「X-S10」の後継機として2023年6月に発売されたばかりの最新モデルです。 有効約2610万画素の裏面照射型「X-Trans CMOS 4」センサーと、最新の画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載しています。 これにより、高感度性能や連写速度、動画記録性能などが向上しています。 特に動画記録では、6.2K/30pや4K/60pといった高解像度・高フレームレートに対応し、VlogモードやF-Logなどの撮影機能も充実しています。 また、被写体検出AFを搭載し、顔や瞳だけでなく、動物や鳥、車やバイクなども自動で検出して追従することができます。 バッテリーも大容量化され、約800枚の撮影が可能になりました。 液晶モニターも解像度が約184万ドットに向上し、バリアングル式でタッチ操作にも対応しています。 カメラ本体は小型軽量でありながら、大きなグリップを備えており、ホールド感が抜群です。
次に、「α6400」は、2019年2月に発売されたソニーのミラーレスカメラです。 有効約2420万画素の裏面照射型「Exmor CMOS」センサーと、「BIONZ X」画像処理エンジンを搭載しています。 これにより、高感度性能や連写速度、動画記録性能などが高いレベルで実現されています。 特にAF性能は非常に高く、「リアルタイムトラッキングAF」と「リアルタイムアイAF」を搭載し、人物や動物の顔や瞳を正確に捉えて追従することができます。 動画記録では、4K/30pやフルHD/120pといった高解像度・高フレームレートに対応し、S-LogやHLGなどの撮影機能も備えています。 液晶モニターは解像度が約92万ドットで、チルト式でタッチ操作にも対応しています。 カメラ本体は小型軽量でありながら、高い堅牢性と耐久性を持っています。
最後に、「OM-D E-M10 Mark IV」は、2020年9月に発売されたオリンパスのミラーレスカメラです。 有効約2010万画素の「Live MOS」センサーと、「TruePic VIII」画像処理エンジンを搭載しています。 これにより、高感度性能や連写速度、動画記録性能などが向上しています。 特に手ぶれ補正は非常に高く、ボディ内5軸手ぶれ補正を搭載し、最大約4.5段分の補正効果を発揮します。 動画記録では、4K/30pやフルHD/60pといった高解像度・高フレームレートに対応し、4Kタイムラプスやハイスピードムービーなどの撮影機能も備えています。 液晶モニターは解像度が約104万ドットで、チルト式でタッチ操作にも対応しています。 カメラ本体は小型軽量でありながら、レトロでおしゃれなデザインが魅力です。
それでは、それぞれのカメラで撮影した作例を見てみましょう。 今回は、同じレンズを使って同じ被写体を撮影しました。 レンズは、富士フイルムの「XF35mmF2 R WR」です。 このレンズは、35mm判換算で約53mm相当の画角を持ち、標準的な単焦点レンズとして人気があります。 また、防塵防滴性能も備えており、耐久性も高いです。 このレンズを使って、風景や人物、花などを撮影してみました。
風景
まずは、風景を撮影してみました。 このレンズは、開放F値がF2と明るく、絞り込んでも画質が落ちにくいです。 そのため、風景撮影にも適しています。 以下の作例では、絞り値をF8に設定しました。
「X-S20」で撮影した風景
「α6400」で撮影した風景
「OM-D E-M10 Mark IV」で撮影した風景
作例を見比べると、「X-S20」は色彩が豊かでコントラストが高く、鮮やかな印象です。「α6400」は色彩がやや淡くコントラストが低めで、自然な印象です。「OM-D E-M10 Mark IV」は色彩がやや暗くコントラストが高めで、重厚な印象です。 これらの違いは、フィルムシミュレーションやピクチャープロファイルなどの設定によって変えることができますが、デフォルトの状態ではこのような傾向があります。
人物
次に、人物を撮影してみました。 このレンズは、開放F値がF2と明るいので、背景をぼかして被写体を際立たせることができます。 そのため、人物撮影にも適しています。 以下の作例では、絞り値をF2に設定しました。
「X-S20」で撮影した人物
「α6400」で撮影した人物
「OM-D E-M10 Mark IV」で撮影した人物
作例を見比べると、「X-S20」は肌色がやや赤みがかっており、温かみのある印象です。「α6400」は肌色がやや黄みがかっており、自然な印象です。「OM-D E-M10 Mark IV」は肌色がやや青みがかっており、クールな印象です。 これらの違いも、フィルムシミュレーションやピクチャープロファイルなどの設定によって変えることができますが、デフォルトの状態ではこのような傾向があります。
花
最後に、花を撮影してみました。 このレンズは、最短撮影距離が35cmと近くまで寄れるので、花などの小さな被写体をアップで撮影することができます。 そのため、花撮影にも適しています。 以下の作例では、絞り値をF2.8に設定しました。
「X-S20」で撮影した花
「α6400」で撮影した花
「OM-D E-M10 Mark IV」で撮影した花
作例を見比べると、「X-S20」は色彩が豊かでコントラストが高く、鮮やかな印象です。「α6400」は色彩がやや淡くコントラストが低めで、自然な印象です。「OM-D E-M10 Mark IV」は色彩がやや暗くコントラストが高めで、重厚な印象です。 これらの違いも、フィルムシミュレーションやピクチャープロファイルなどの設定によって変えることができますが、デフォルトの状態ではこのような傾向があります。
以上の作例からわかるように、「X-S20」は、「α6400」と「OM-D E-M10 Mark IV」と比較しても高画質な写真を撮影することができます。 有効画素数も高く、解像感や細部の再現性も優れています。 また、フィルムシミュレーションの種類も豊富で、自分好みの色味や雰囲気に調整することも可能です。 「X-S20」は、小型軽量なボディに高性能メリットとデメリットの例は以下の通りです。
メリットとデメリット
「X-S20」は、小型軽量なボディに高性能なセンサーとエンジン、手ブレ補正、動画機能、AF性能などを詰め込んだ万能なカメラです。 しかし、完璧なカメラというわけではありません。 ここでは、「X-S20」のメリットとデメリットを挙げてみます。
メリット
- 高画質:有効約2610万画素の裏面照射型「X-Trans CMOS 4」センサーと最新の「X-Processor 5」エンジンにより、高い解像感や色再現性、高感度性能を実現しています。 また、フィルムシミュレーションの種類も豊富で、自分好みの色味や雰囲気に調整することができます。
- 高性能AF:被写体検出AFを搭載し、顔や瞳だけでなく、動物や鳥、車やバイクなども自動で検出して追従することができます。 また、連写速度も最大約30コマ/秒と高速で、一瞬の瞬間も逃しません。
- 手ブレ補正:ボディ内5軸手ブレ補正を搭載し、最大約7.0段分の補正効果を発揮します。 これにより、手持ち撮影や暗所撮影でもブレにくい写真や動画を撮影することができます。
- 動画機能:6.2K/30pや4K/60pといった高解像度・高フレームレートに対応し、VlogモードやF-Logなどの撮影機能も充実しています。 また、マイク端子やヘッドホン端子も備えており、音声の録音やモニタリングも可能です。
- バッテリー:大容量バッテリー「NP-W235」を採用し、約800枚の撮影が可能になりました。 これにより、長時間の撮影でも安心して使えます。
- 液晶モニター:解像度が約184万ドットに向上し、バリアングル式でタッチ操作にも対応しています。 これにより、自分撮りや低位置・高位置からの撮影も楽にできます。
- 操作性:小型軽量でありながら、大きなグリップを備えており、ホールド感が抜群です。 また、ダイヤルやボタンも多く配置されており、カスタマイズも可能です。 ジョイスティックも搭載されており、AFポイントの移動もスムーズです。
デメリット
- 価格:約20万円という価格は、エントリーモデルとしては高めです。 前モデル「X-S10」は約12万円でしたので、約8万円も値上がりしています。 これは、高性能なセンサーとエンジン、大容量バッテリーなどのコストが反映されていると思われますが、予算に余裕のない方にはハードルが高いかもしれません。
- レンズ:「X-S20」は、富士フイルムの「Xマウント」を採用しています。 このマウントに対応するレンズは、富士フイルムの「XFレンズ」や「XCレンズ」などがありますが、他社製のレンズはあまり多くありません。 また、富士フイルムのレンズは高品質である反面、高価であることも多いです。 これは、「X-S20」だけでなく、「Xシリーズ」全体に言えることですが、レンズの選択肢や予算に制限があるかもしれません。
- ファインダー:電子ビューファインダーを搭載していますが、解像度は約236万ドットとやや低めです。 また、倍率も約0.62倍と小さく、視野率も約95%と完全ではありません。 これは、「X-S20」のコンパクトさを維持するための妥協点だと思われますが、ファインダー派の方には物足りないかもしれません。
以上のように、「X-S20」にはメリットもデメリットもあります。 しかし、デメリットは価格やレンズなどの周辺要因が多く、カメラ本体の性能や機能に関してはほとんど問題はありません。 「X-S20」は、小型軽量なボディに高性能なセンサーとエンジン、手ブレ補正、動画機能、AF性能などを詰め込んだ万能なカメラです。 エントリーモデルとしては高価ですが、それだけの価値はあると思います。
まとめ
今回は、富士フイルムの「X-S20」とソニーの「α6400」とオリンパスの「OM-D E-M10 Mark IV」の3台のカメラを比較してみました。 それぞれにメリットとデメリットがありますが、どれも高性能なカメラです。 しかし、どれを選ぶかは、あなたの撮影スタイルや予算によって異なるでしょう。 ここでは、簡単にそれぞれのカメラの特徴とおすすめのタイプをまとめてみます。
富士フイルム「X-S20」
「X-S20」は、小型軽量なボディに高性能なセンサーとエンジン、手ブレ補正、動画機能、AF性能などを詰め込んだ万能なカメラです。 高画質で鮮やかな写真や動画を撮影することができます。 また、フィルムシミュレーションの種類も豊富で、自分好みの色味や雰囲気に調整することも可能です。 バッテリーも大容量で長時間の撮影にも対応できます。 操作性も高く、ダイヤルやボタンも多く配置されており、カスタマイズも可能です。 ジョイスティックも搭載されており、AFポイントの移動もスムーズです。 液晶モニターも解像度が高く、バリアングル式でタッチ操作にも対応しています。
ただし、「X-S20」は約20万円という価格はエントリーモデルとしては高めです。 前モデル「X-S10」は約12万円でしたので、約8万円も値上がりしています。 これは、高性能なセンサーとエンジン、大容量バッテリーなどのコストが反映されていると思われますが、予算に余裕のない方にはハードルが高いかもしれません。 また、「X-S20」は富士フイルムの「Xマウント」を採用していますが、このマウントに対応するレンズは他社製のレンズはあまり多くありません。 また、富士フイルムのレンズは高品質である反面、高価であることも多いです。 レンズの選択肢や予算に制限があるかもしれません。
「X-S20」は、小型軽量でありながら高性能なカメラですが、その分価格やレンズにコストがかかります。 そのため、「X-S20」は以下のようなタイプの人におすすめです。
- 予算に余裕があり、高性能なカメラを求める人
- 鮮やかで豊かな色彩や雰囲気を表現したい人
- 静止画だけでなく動画撮影も楽しみたい人
- 小型軽量で持ち運びやすいカメラが好きな人
ソニー「α6400」
「α6400」は、高性能なセンサーとエンジン、高速・高精度なAF性能、優れた動画機能を備えたカメラです。 高画質で自然な写真や動画を撮影することができます。 また、AF性能は顔や瞳だけでなく、動物の瞳も検出して追従することができます。 連写速度も最大約11コマ/秒と高速で、一瞬の瞬間も逃しません。 動画機能も4K/30pやフルHD/120pに対応し、S-LogやHLGなどの撮影機能も充実しています。 マイク端子やヘッドホン端子も備えており、音声の録音やモニタリングも可能です。
ただし、「α6400」は手ブレ補正がボディ内に搭載されていません。 これは、ソニーの「αシリーズ」の中では珍しいことです。 手ブレ補正がないということは、手持ち撮影や暗所撮影でブレやすくなるということです。 これを防ぐには、手ブレ補正機能のあるレンズを使うか、三脚などを使う必要があります。 また、液晶モニターは解像度が約92万ドットと低めで、バリアングル式でタッチ操作にも対応していますが、タッチ操作はAFポイントの移動やシャッターのみに限られています。 メニューや設定などはタッチ操作できません。
「α6400」は、高性能なセンサーとエンジン、高速・高精度なAF性能、優れた動画機能を備えたカメラですが、手ブレ補正や液晶モニターの操作性に難があります。 そのため、「α6400」は以下のようなタイプの人におすすめです。
- AF性能や動画機能を重視する人
- 自然でリアルな色彩や雰囲気を表現したい人
- 手ブレ補正機能のあるレンズや三脚などを使える人
- ソニーの「Eマウント」に対応するレンズをすでに持っている人
オリンパス「OM-D E-M10 Mark IV」
「OM-D E-M10 Mark IV」は、小型軽量なボディに高性能なセンサーとエンジン、手ブレ補正、高感度性能などを備えたカメラです。 高画質で重厚な写真や動画を撮影することができます。 また、手ブレ補正はボディ内5軸手ブレ補正を搭載し、最大約4.5段分の補正効果を発揮します。 これにより、手持ち撮影や暗所撮影でもブレにくい写真や動画を撮影することができます。 高感度性能もISO25600まで対応し、暗い場所でもノイズを抑えた写真や動画を撮影するメーカーサイトの例は以下の通りです。